前回は民法第6条の「未成年者の営業の許可」を解説してくれたよね。法定代理人(保護者)等が許可すれば未成年者でも営業することができることを解説したよね^^
今回は未成年以外の制限行為能力者である成年被後見人について書かれている民法第7条について解説するよ^^
前回は未成年の営業について解説しました。法定代理人(親権者の場合が普通に考えられる.)等が許せば、成年者と同一の行為能力を有することができお店を持つことが可能です。
今回は未成年以外の制限行為能力者である「成年被後見人」についての条文を解説したいと思います.
(今回も、行政書士試験又は宅建試験レベルの重要判例は今回見つかりませんでしたOrz)
間違い等ありましたら、ご指摘していただけるとありがたいです^^
1. 制限行為能力者の種類
制限行為能力者とは、第5条を解説したときに説明しましたが、もう少し詳しい話を加えつつ、もう一度復習です。
法律行為(例えば売買契約等)を自分自身で単独で行う能力の事を「行為能力」と言います。
自分の有利 or 不利をある程度判断できないで取引をしてしまうと、それにつけこまれて「騙され」たり、「損をする」ことが多々あると予測できます。
そこで、法律行為の行為能力を有しない者をほごするため、その人が行う法律項に制限を×制度があります。その制限がかけられた人を「制限行為能力者」といいます。
制限行為能力者には以下の4つのタイプがあります。
① 未成年者
② 成年被後見人
③ 被保佐人
④ 被補助人
すなわち、これらの世の中を一人で生きていくには難しい人々の保護が目的となっている制度です。
上記、4つのタイプの制限行為能力者では保護すべきレベルが異なるため、保護される態様も異なります。
未成年者は20歳に達していない者(2021年4月現在)と分かりやすいのですが、成年被後見人、被保佐人、被補助人の具体例は以下の通りです。
<成年被後見人>
重度のアルツハイマー病で、数年前から物忘れが激しく、人物の判別がつかなくなるほど社会生活に支障が出ている人。
<被保佐人>
中度の認知症で物忘れがあったが、1万円札と5千円札の違いが分からなくなり、日所生活に支障が出ている人。
<被補助人>
軽度の認知症で家事等の失敗も多く、訪問販売で不要なものをいくつも購入する人。
基準もあいまいですが、状態に合わせてその人がどのレベルにあるか最終的に判断できるのはお医者さんのようです。
前置きが長くなりましたが,今回の本題は「成年被後見人」の後見開始です。
2. 民法第7条条文
民法第7条(後見開始の審判)
精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、4親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人、補助監督人又は検察官の請求により、後見開始の審判をすることができる。
3. 条文解説
認知症やアルツハイマーで重度の症状を持つ者は、本人、配偶者、4親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人、補助監督人又は検察官が家庭裁判所に請求することによって、家庭裁判所は後見開始の審判をすることができます。
検察官が認められる場合は、申立てに協力する親族がなく、本人が申立てを理解する判断能力を欠いているときのようです。
「アルツハイマー等の重度な症状+家庭裁判所の後見開始の審判」によって、成年被後見人であることを主張することができます。
4. まとめ
後見制度を知らないで、損をしている人はまだまだ存在すると思います.知ることが身近な能力が不十分な人を守る第一歩ですね。
ちなみに厚生労働省が公表している成年後見制度の申し立てに要する費用は以下の通りです。
申立手数料 | 収入印紙800円 (保佐・補助の代理権又は同意権付与の申立てをする場合には各800円を追加) |
登記手数料 | 収入印紙2,600円(任意後見は1,400円) |
送達・送付費用 | 郵便切手3,000円~5,000円程度 |
鑑定費用 | 鑑定を実施する場合には5万円~10万円程度(一般的な金額であり,鑑定人により異なる) ※ 平成27年に鑑定を実施したものは全体の約9.6% |
参考:https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12000000-Shakaiengokyoku-Shakai/genjyou30.5.2_2.pdf
今回はここらへんで(^.^)/~~~
ゆうき
理系博士号取得者 / 製薬会社勤務→商社勤務(2021年)/ 所有物件 戸建4軒
科学、不動産投資、法律と気が向いたことを書いていく雑記ブログです。
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2020年11月23日ブログ開始
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