前回の解説では法律上の住所、居所、仮住所について記載されている第22条~第24条の解説だったね。
単独で何か重要な意味がある条文ではないけれど、後ろの条文で重要になってくることも併せて解説してくれたね^^
今回は、失踪の宣告について記載された民法第30条、第31条を解説するね^^
今回解説する条文は宅建や行政書士試験では重要になってくる条文だからしっかりマスターしよう!
今回は失踪宣言について記載された第30条、第31条について宅建試験、行政史書士試験のレベルで解説していきます。
今回解説する条文は宅建試験や行政書士試験でも問われるところですので、しっかりと理解しましょう^^
1. 条文
第30条(失踪の宣告)
不在者の生死が7年間明らかでないときは、家庭裁判所は、利害関係人の請求により、失踪の宣言をすることができる。
② 戦地に臨んだ者、沈没した船舶の中に在った者その他死亡の原因となるべき危難に遭遇した者の生死が、それぞれ、戦争が止んだ後、船舶が沈没した後又はその後の危難が去った後1年間明らかでないときも、前項と同様とする。
第31条(失踪の宣言の効力)
前条第1項の規定により失踪の宣言を受けた者は同行の期間が満了した時に、同条第2項の規定により失踪の宣言を受けた者はその危難が去った時に、死亡したものとみなす。
2. 条文解説
行方不明の方の法律上の取り扱いについての条文です。
宅建試験や行政書士試験では第30条よりも第31条の方がひっかけ問題としてよく目にします。
それでは、それぞれの条文について解説していきます。
第30条
この条文では、失踪の定義とその者の法律上の取り扱いについて記載されています。
第1項を普通失踪
第2項を特別失踪
と呼びます。
第1項
行方不明の者の生死が7年間明らかでないときに、残された家族等の利害関係人の請求によって家庭裁判所は失踪を宣言することができます。
なぜ、残された家族は「利害関係人」と呼ばれるのでしょうか?
残された財産等の取り扱いである相続が絡んでくるからです。
生きているか死んでいるか分からずに死亡したことにできないと、
いつまで経っても相続を開始できませんね。
財産の中には維持費がかかるものもありますから、いつまでも中途半端な状態では
残された家族(利害関係人)が困ってしまいます。
第2項
戦地に行った者や船の事故で遺体が上がらずその生死が分からない者についても、利害関係人の請求によって家庭裁判所は失踪を宣言することができます。
第31条
第30条第1項(普通失踪)の場合 → 失踪後7年が経過した時
第30条第2項(特別失踪)の場合 → 危難が去った時
に行方不明になった者は死亡したものとみなします。
第1項と第2項ではみなし死亡時期が異なる点についてひっかけで宅建試験や行政書士試験で聞かれることもありますので注意しましょう!
3. まとめ
今回は、失踪の宣言、失踪の宣言の効力について記載された第30条、第31条を解説しました。
行方不明になった者のみなしの死亡時期は
普通失踪(生死7年間不明)の場合→ 失踪後7年が経過した時
特別失踪(事故等で生死不明)の場合→ 危難が去った時
という違いがあります。
今回はこの辺で(^.^)/~~~
ゆうき
理系博士号取得者 / 製薬会社勤務→商社勤務(2021年)/ 所有物件 戸建4軒
科学、不動産投資、法律と気が向いたことを書いていく雑記ブログです。
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2020年11月23日ブログ開始
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