ご高齢のために記憶力に不安?そんなときのための補助人制度!~民法第17条解説~

教育

前回の民法第15条は補助開始の審判で、第16条は制限行為能力者の呼び方と法定代理人の呼び方だったね。被補助人は成年被後見人や被保佐人と比べると大げさでなくて、一番身近な制度だね。

ゆうき
ゆうき

今回も被補助人の制度の民法第17条について解説するよ。今回はボリュームたっぷりだから何回か読まないと理解に難しいかも(;^_^A

コツは第13条と見比べてみてね^^

前回は民法第15条、第16条は補助開始の審判の手続きについての条文でした。

軽くおさらいとして、制限行為能力者である「成年被後見人」「被保佐人」「被補助人」についての違いです。

成年被後見人 常に判断能力を欠いている方(重度の認知症等)
被保佐人   判断能力が著しく不十分な方(中度の認知症等)
被補助人   判断能力が不十分な方(大きな買い物等はできるが不安がある等)

支援の必要性の度合いは

成年被後見人 > 被保佐人 > 被補助人

という形になります。

今回は補助人の同意を要する旨の審判等が記載された第17条について宅建試験、行政史書士試験のレベルで解説していきます。

第13条と似ている部分や引用している部分もあるので、比較しながら見ていくと分かりやすいかもしれません。

 

スポンサーリンク

1. 条文

第17条(補助人の同意を要する旨の審判等)

家庭裁判所は、第15条第1項本文に規定する者又は補助人若しくは補助監督人の請求により、被補助人が特定の法律行為をするにはその補助人の同意を得なければならない旨の審判をすることができる。ただし、その審判によりその同意を得なければならないものとすることができる行為は、第13条第1項に規定する行為の一部に限る。

 

➁ 本人以外の者の請求により前項の審判をするには、本人の同意がなければならない。

 

③ 補助人の同意を得なければならない行為について、補助人が被補助人の利益を害するおそれがないにもかかわらず同意しないときは、家庭裁判所は、被補助人の請求により、補助人の同意に代わる許可を与えることができる。

 

④ 補助人の同意を得なければならない行為であって、その同意又はこれに代わる許可を得ないでしたものは、取り消すことができる。

2. 条文解説

第17条

① 精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分である者(認知症等による軽度の症状の人等)又は補助人若しくは補助監督人の請求によりからの申立てによって、家庭裁判所は被補助人が補助人の同意を得なければならない法律行為を決定する審判をすることができます。

内容は第13条1項各号に定められた内容の中からの選択になります。また第13条1項各号の一部になります。

全部を同意の対象にできたり、他の法律行為で補助が必要ならば、それは「被補助人」ではなく、「被保佐人」や「成年被後見人」で申請すべきだからです.

ちなみに第13条1項各号は以下の法律行為です。

  1. 貸したお金の元本の受取、又は、他の人に貸しつけること。
    元本を受け取ってしまうと利子収入が減ってしまうからですね。
  2. 財産を借りること、又は、他の人の保証をすること。
  3. 不動産等の大きな売買をすること。
  4. 訴訟行為
  5. 贈与をすること。和解、仲裁合意をすること。
  6. 相続の承認、放棄、遺産の分割をすること。
  7. 贈与の申込みを断ること。

遺贈(被相続人以外の人が亡くなった何かを贈与すること)を放棄すること。
負担付贈与(物やお金等と引き換えの贈与)の申込みの承諾。
負担付遺贈(物やお金等と引き換えの遺贈)を承諾すること。

  1. 家の新築、改築、増築又は大修繕をすること。
  2. 第602条に定める期間(処分の権限を持たない人が設定する賃貸借の期間)を超える賃貸借をすること。

➁ 被補助人が補助人の同意を得なければならない法律行為について、被補助人以外の者の請求によって、審判をするときは本人の同意がなければなりません。

被補助人は「被保佐人」や「成年被後見人」とは異なり、事理を弁識する能力が不十分であっても一定の判断能力はあるとされているからです。

③ この項は被保佐人のときと同じく(第13条第3項)、被補助人が損をするおそれがない法律行為について、補助人が同意しない場合には、被補助人からの申立てがあれば、家庭裁判所は補助人の同意に代わる許可をすることができます。

この項も被保佐人のときと同じく(第13条第4項)、補助人の同意を得なければ被補助人ができない法律行為を補助人の同意なしで被補助人がしたときには、取り消すことができます。

3. まとめ

今回は、被補助人の同意を要する旨の審判等が記載されている第17条を解説しました。
「成年被後見人」と「被保佐人」と異なって、本人の自己決定権を大きく尊重していますね。

そろそろ恒例となりましたが、裁判所が公開している後見制度のパンフレットを貼っておきますね。
制度の利用が必要な方が読んでいただけている可能性もありますので。

成年後見制度を利用される方のために(PDF:1.38MB)
家庭裁判所の手続の流れなどについて簡単に図解したものです。
成年後見制度-利用をお考えのあなたへ-(PDF:3.65MB)

家庭裁判所における手続や後見人の仕事などについて詳しく説明したものです。

※ 後見制度又は保佐制度を利用する方に対する権利制限に関する規定が削除されるなどの見直しが行われました。詳細はこちらをご覧ください。

参考 https://www.courts.go.jp/saiban/tetuzuki/pamphlet/index.html

今回はこのへんで(^.^)/~~~ 

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

2021年度版 行政書士試験六法 [ 行政書士試験研究会 ]
価格:3740円(税込、送料無料) (2021/6/5時点)

楽天で購入

 

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

2021年度版 わかって合格(うか)る宅建士 分野別過去問題集 [ TAC宅建士講座 ]
価格:2750円(税込、送料無料) (2021/6/5時点)

楽天で購入

 

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました