民法ってどんな法律なの?~民法第3条の解説と判例~

教育

前回は民法の根幹の第1条を解説してくれたよね。

ゆうき
ゆうき

今回は権利能力の最初の第3条を解説するよ^^

前回は民法の根幹をなす規定である第1条を解説しました。また今回は権利能力の定義である第3条を解説しますね(;^_^A

間違い等ありましたら、ご指摘していただけるとありがたいです^^

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1. 民法第3条条文

民法第3条(基本原則)

1 私権の享有は、出生に始まる。
2 外国人は、法令又は条約の規定により禁止される場合を除き、私権を享有する。

2. 条文解説


民法第3条第1項

人は生まれた瞬間から権利能力を有していることが示されています。逆説的には生まれる前の胎児は権利能力を有していないことになります。

しかしながらこの規定には例外があって、損害賠償請求権に関する胎児の権利能力(721条)、相続に関する胎児の権利能力(886条)、相続人に関する規定の準用(965条)では、胎児は生まれたものとみなされます。

ちなみに「出生に始まる」とありますが、民法と刑法では「出生」について以下の違いがあります。

民法:全体が母体から出たとき
刑法:一部が母体から出たとき

民法第3条第2項

日本国内において、外国人も法令や条約で禁止されていない限りは、日本人と同様な権利能力を有することとなります。

3. 判例

本来は721条の判例ですが、関連していますので重要な判例をご紹介。

胎児の損害賠償請求権について、母その他親族が胎児の代理人として加害者となした和解は、胎児を拘束しない(大判昭7.10.6 阪神電鉄事件)

電車事故で死亡したXに、父Yと妊娠中の内縁の妻Zがいて、電鉄会社と今後一切の請求をしないという内容の和解契約を結びました。親族縁者の代表として父Yが胎児の分も含めて弔慰金の交付を受けました。

しかしながらその後、出生した子Aが損害賠償請求しました。出生前に父Yがした和解契約は後日出生した子Zに対し何の拘束力も持たないことを明確にした事案です。

4. まとめ

権利能力はここに今回示したように場合によって、立ち位置が変わってくる条文です。行政書士試験や宅建試験を受験する方は十分に気をつけてくださいね。

今回はここらへんで。

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