夏休みの自由研究救済!家庭でお手軽な化学実験~砂糖と片栗粉の分離~

実験

前回の記事でヨウ素デンプンの色の変化はよく分かったけど、ただ色が変わるだけの反応なの?

ゆうき
ゆうき

小学校の実験ではそれで色が変わって終わりだよね。今回はその先のちょっと応用した実験を紹介するよ^^

 

こんにちは!ゆうきです。

前回はヨウ素デンプン反応を紹介しました。小学校の課程ではただ色を変えて終わりの実験ですが、今回はヨウ素デンプン反応を応用した実験を紹介したいと思います。

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1. 砂糖と片栗粉

前回の実験で、砂糖を水に溶かしたものを入れたカップと、片栗粉を水に分散(溶けていないので「分散」という表現を使っています。)したものを入れたカップにうがい薬(ヨード入り)を垂らすと、砂糖水はただヨウ素の色が薄くなり、片栗粉の分散水はヨウ素の色が濃くなる(図1)ことを学びました。

図1. 砂糖水にうがい薬を入れたもの(左)と片栗粉水にうがい薬を入れたもの(右)

今回はこれを指標(リトマス試験紙みたいなものと思ってください。)として使用していきます。

2. 用意する物

・水(水道水)
・片栗粉(デンプンが主成分です。)
・砂糖
・プラスチックカップ
・ヨード入りうがい薬
・割りばし
・コーヒーフィルター(コーヒーメーカー用)

3. 実験

1) プラスチックカップに水を8割程度入れます。
2) 砂糖と片栗粉をコーヒーフィルターに入れ、固体の状態で割りばしを用いてよくかき混ぜます(図2)。
3) フィルターを振っても何も落ちてこないことを確認します(図3)。
4) 砂糖と片栗粉の入ったコーヒーフィルターを水の入ったカップに浸します(図4)。
5) カップ内の様子をよく観察します。
6) しばらく時間を置いてから、フィルターを別のカップに移す(図5)。
7) フィルターを置いていたカップの水にうがい薬を滴下し、割りばしで混ぜます(図6)。
8) カップ内の様子を観察します。
9) 6)で移したコーヒーフィルターを再び水を入れたカップに移しフィルター内部を観察します(図7)。

図2. 砂糖と片栗粉をコーヒーフィルターに入れ、割りばしでよくかき混ぜる

図3. 何も落ちてこないことを確認

図4. 砂糖と片栗粉を入れたコーヒーフィルターを水に浸す

図5. フィルターを別の空のカップに移す

図6. うがい薬をフィルターを取り除いた水に投入

図7. フィルターを再びうがい薬を入れた水溶液に浸す

 

4. 結果

実験4)で観察したときに図6のようにコーヒーフィルターと水のさかい付近の水がモヤモヤとするのが分かります。これは「何か」が溶け出しています(後述)(図8)。

図8. コーヒーフィルタ付近にモヤモヤ発生

実験7)でうがい薬の色が濃くならずにただ薄くなっていくことが見てとれます。これで、フィルターから溶け出した「何か」は砂糖であった事が分かります(図9)。

図9. うがい薬を入れたカップ

実験9)で戻したフィルター内では、ヨウ素の水溶液がフィルター内に通ることによって、ヨウ素の色が濃くなることを見ることができます。フィルター内の固体とヨウ素デンプン反応を起こしていることが分かります(図10)。

図10. うがい薬入りカップに戻したフィルター内部

以上より,水に溶けだしたものは「砂糖」フィルター内に残っているものは「片栗粉」であることが分かります。

このような分離方法を「ろ過」といいます。この実験で分かることは、コーヒーフィルターを通ることができるものは、水、砂糖、うがい薬のヨウ素ということが分かります。フィルター内のヨウ素デンプン反応は、ヨウ素分子がコーヒーフィルターの穴よりも小さいことを利用した現象でした。

 

5. もう一歩

実験4)で現れた水のモヤモヤの現象はなぜ起こったのでしょうか?

液体にはそれ自身が持っている光を曲げる作用があります。それを光の屈折と呼びます(図11)。

溶け出した「何か」はフィルター付近では場所によって濃度が様々に異なっています。そこを通る光の進路が不規則に変化(屈折率の違い)します。こうして、「何か」が溶け始めているフィルター付近ではモヤモヤとなる現象が見られます。

 

6. まとめ

前回の実験ではヨウ素デンプン反応を用いてデンプンが水に分散されているとヨウ素の色が濃くなることが示されました。

今回はその現象を指標として、「ろ過によって分離」した「砂糖」と「デンプン」がどちらに存在しているかを知るための実験でした。

実は光の屈折のお話は中学生で習う話です

前回の実験と今回の実験を併せれば、小学校高学年の夏休みの自由研究の出来上がりですね(*´▽`*)

 

今回はこのへんで(^.^)/~~~

 

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